うなぎの寝床 2000年3〜6月 |
まず、当店の歴史については誰がはじめたのか、よく分からないままです。今のところ、 最低でも4代以上前から料理店として営業してきたようですが、なにぶんにも少し古い時 代の頃は専業というわけではなく、ご多分にもれず農業が半分ぐらいだったようです。 パソコン用トップページの「百年・・・」というのは現時点で分かっている範囲で、という意 味です。(3/29) 使っている鰻についてよく質問されますが、あまり意味が無く答えても仕方がないので、 いつも適当な返事をしています。現代人の食味は、昔の人に比べて当然柔らかいものが 好みになっています。鰻は生き物なので、いつもいつもベストの状態ではなく、また卸し 元で混ざる為、入ってくるものは選別人によって決まってしまいます。かなりうるさく注文 をつけるので、気を使って送ってきますが、それでも捌いていて気に入らないものは使い ません。ブランド物も使いますが、味まで分かる人は、あまり無いようです。「おいしい」 とは言っていただけますが・・・・・ちょっと悲しい。(3/29) タレについては、秘伝の・・・というほどのものではありませんが、代々伝わってきた方法 をそのまま踏襲しております。全て、手造りです。(3/29) 何故こうなったのか分からないのですが、最も変わっているのは関西にありながら「裂き」 が関東式(背割り)で、「串打ち」が関西式(半分に切らず長いまま串を打つ)のです。更 に頭も割ります。今まで、ずっとこのスタイルで営業してきましたが、近辺のお客様はこれ が普通だと思われているようです。たまに関東の方が来られると不思議がられています。 (宅配便は、容器のサイズの関係で半分にしないと送料が高くなってしまうのと、調理の 時の取り扱い上、半分に切って竹串を打った方がいいのでこの方法にしています。)(3/29) 宅配便のところでも書いていますが、店での焼き方は「地焼き」といって途中で蒸したり しません。ただひたすら炭で焼いていき、最後にタレをかけます。(3/29) 宅配便の蒲焼きを冷凍にしないのは、ただでさえ蒲焼きの再現が難しいのに、さらに味を 悪くするのに耐えられないからで、送った蒲焼きを自宅で冷凍されたものに対しては、味 の保証ができないので、冷凍された時点で保証の対象外とさせていただきます。(3/30) ついでに家庭用冷蔵庫について。お送りした蒲焼きは良好な冷蔵状態ですと本来もっと 長く持ちますが、家庭用冷蔵庫は見栄えが良くなるように設計されているため、冷却機や コンプレッサーの配置状況は結構悲惨です。更に実際の使用状況は最悪の条件に近い 家庭が多く、その性能を十分に発揮できていないのが現状です。(冷えることは冷えるの ですが、条件が悪いため設定の温度まで冷えるのに長くかかってしまいます。)業務用の 冷蔵庫は、現在ほとんどのものが庫外にデジタル温度計を持っており、中の温度が一目 瞭然で分かります。大容量の業務用冷蔵庫にしても夏場の暑い時にドアを1回開けると 随分温度が上昇してしまい、これが家庭用冷蔵庫だともっと条件が悪くなってしまうので す。ただ温度計がついていないものが多いので分からないだけなのです。また、子供が 勝手に開けたりしますと、余計悪くなってしまいます。今、ご自宅の冷蔵庫の設定温度が 何度なのかすぐに答えられる人は少ないんじゃないでしょうか?ですから、表向きの保 証を到着後24時間にしているのです。(3/30) 冷凍庫についても同じことが言えます。家庭用の冷凍庫は確か★★★(スリースター)が 最高だったと思います。これはマイナス18゜Cまで下げることができるはずですが、庫内 の容積が狭いため1回の開閉で結構ダメージを食います。また、設計上1つのコンプレッ サーで冷凍庫と冷蔵庫を冷やしているものは、どちらかの庫内温度が上昇すると片方の 性能が落ちる可能性があります。真空パックのものを冷凍室に入れているからと安心は できません。単に真空パックにするだけでは滅菌も殺菌もされないからです。せいぜい 1ヶ月以内に食べるのが好ましいのです。(3/30) 生きた状態で捌くのと死んでしまってから捌くのと、鰻ほど天と地ほど開きがあるのも珍 しい魚だと思います。非常に生命力の強い魚ですが、もろい面も持っており、全身筋肉の 固まりのような魚です。ただ死んでしまうと身に締りがなくなって、焼くと皮がはがれやす くなり、商品価値は無くなります。(3/30) 毎年、食中毒の予防のための講習会がありますが、面白い話が聞けるときもあります。 皆さんは、食べても大丈夫かどうかの判定を行うとき、まず匂いで判断する人が大半だ と思います。しかし、匂いで判断できるのは物の腐敗に関してだけで、食中毒は全く別 のものなのです。物が腐るのは腐敗菌によるものであり、食中毒がおきるのは食中毒菌 によるものなのです。そして、菌の種類はいろいろあります。ここで面白いのは、細菌の 世界というものは食うか食われるかの世界であり、優勢にたった方が全てを支配します。 すなわち、腐敗菌が勝ち残ると物は腐敗しますが食中毒菌は無くなってしまいます。 最も怖いのは、食中毒菌が勝ち残った場合で、物が腐敗せず匂いもせず食べると食中毒 を起こします。ですから匂いがしないのはかえって危険な場合があり、匂いで判定するの は、おまじないに近いのです。(3/31) 「桃、栗三年、柿八年」のことわざと同じように、鰻職人の場合も「開き(裂き)三年、串打 ち八年、焼きは一生」と言われております。一見簡単そうに見える串打ちが意外と難しい ことを表しているのですが、それにも増して鰻焼きが非常に難しいこと、また少しでも油断 すると失敗しますよ、ということを戒めているのだと思います。私が宅配便を長い間実践 できなかった(しなかった)最大の理由です。一旦焼いてあるとはいえ、最も気を使う最後 の仕上げをお客様にお任せしなければならないわけですし、それがそのまま評価につな がってしまいます。どこのご家庭にもある調理器具で、それ程手間をかけず、最小限の時 間で、できる限り焼き上がりに近づけることを目標に試行錯誤を繰り返し、これならまずま ずという結果を得て宅配便の開始を行いました。(4/4) 前から一度書いてみたいと思っていましたが、世の中には唖然とすることがあります。 もし、この文章が不適当だと思われる方があれば、メール下さい。春の季節になると、そ ろそろ食べたいなと思うものに「かつおのたたき」があります。とりたてて初物好きという わけでは無いつもりですが、大好物のひとつであります。最近はあまり季節に関係なく スーパーに並んでいる事も多いのですが、真空パックされた「朝焼きかつお」なるもので、 以前に疑問に思ったことがあります。「朝焼き・・・」の文字を見ると大半の人は、今日の 朝と思うはずですし、私もそう思っていました。ところが、たまたま早朝に卸ろし市場に 仕入れに入った時、ふと見ると例の真空パックが冷凍状態でおいてあったのです。早朝 に既に冷凍状態になっているということは、まさか夜中の2時や3時に焼いて作ったとは 到底思えず、それ以来信用できなくなりました。まぁ、自分の食べる分はいつもかつおを 丸々買ってきて焼いて作るので、スーパーのものを食べたことがないので、わかりません が・・・。最近、「今朝焼きかつお」の真空パックを見つけたときは、笑ってしまいました。 スーパー自体が悪いわけじゃないんですが、「スーパーの怪」っていろいろあるんですよ ね。(4/4) 対象になられるお客様はめったにないので書くのを忘れていましたが、税制改正により 3月31日をもって1人7,500円を超える利用をされたお客様にかかっていた特別地方消 費税が廃止になりました。たくさん使った人に普通の消費税以外に別に特別地方消費 税がかかるというのは納得できない税金でしたが、やっと廃止になりました。4月1日か らはどこのお店でも同じになりました。(4/4) 長い間、書き込みをしていません。5月は登録とホームページの書き換えに加えドメイン の取得をしたり、契約をしたりと追われまくっていました。既に登録したサーチエンジンと モールのIDとパスワードのプリントアウトと各種契約書類の束は引き出しに入りきらない ぐらいになってしまいました。ハードディスクが壊れたらど〜すんだー・・・。(6/19) ついに7月目前!、これからの注文の中で最も困るのは熱いままどこかに持っていこうと するお客様です。危ないと感じるお客様にはどのようにされようとしておられるのか必ず 聞きますが、そういう方の中で最も多いのは焼きたてのものをそのままパックして当店か ら車に積んで神戸や大阪へ持って行こうとされる事です。夏の炎天下に車のトランクに積 んで1〜2時間以上も温かいまま走り回られたのでは、ぞっとします。「それだけは止めて くれ〜」ということで、一旦冷ましてからパックするのですが、それでも毎年同じ事を何人 ものお客様に言う羽目になります。(6/30) 明日から蒲L線ブロードネットワークスによるネットプライスモールがオープンします。 当店も加盟しますがカテゴリの中に「うなぎ」がない!?今、カテゴリに追加してもらえる ようにメールを送っていますが、10日ほど前からサーバーが込んでそれどころではない ようです。どうなることやら・・・。(6/30) |